1心から納得できる志望校選び
高校生活とは、人として大きく成長し、将来の生き方を決定づけていく大切な3年間です。受験生本人にとっても、保護者の方々にとっても、納得のいく志望校を選ぶことが何よりも重要と言えます。
志望校は、早く決まれば決まるほど有利です。目標が決まればやる気も自然とアップしますし、早い時期から効果的な受験学習に取り組めるためです。「もう志望校は決まっている」という受験生もいるでしょう。
ですが、もしまだ志望校が見つかっていなくてもあせることはありません。何より重要なことは、心から納得できる志望校を選べるかどうかです。
志望校を考えるとき、「何を学びたいのか」「どんな高校生活を送りたいのか」「自分の学力は?」など、できれば家族で一つひとつ条件を吟味しながら、イメージを徐々に明確にしていくことで主体的に選び取る形がベストです。そうした過程を経ることによって、たどり着いた結論に自信を持てて揺るがないものにできます。
主体的に求めて探すことをせず、受け身な態度で安易に受験校を選んだ結果、入学後に後悔する新入生がいるのも事実です。そうならないためにも、本気で「行きたい!」と願い、心から納得できる志望校を見つけましょう。
2中3京都模試で探す
志望校探しの第一歩となりうるのが、中3京都模試の受験票にある志望校欄です。
志望校がまだ決まっていない場合は、「家から近い」とか「ご家族の勧め」といった理由をきっかけに、その高校を受験票の志望校欄に書いてみましょう。届いた個人成績表には、その学校の合格判定が掲載されます。その判定が、志望校について考え、検討を始めるための第一歩となります。
ある程度志望校が絞れているという場合は、その志望校候補を志望校欄に記入します。届いた個人成績表の合格判定や『学習ガイド』にまとめられる各高校・学科の志望者学力分布から、志望校候補をじっくり比較・検討することができます。
中3京都模試は「自分の学力や合格可能性、伸びしろを知る」だけでなく、「志望校を探す」ためにも使えるのです。
1合格可能性から
受験は厳しいものと言えます。実力とかけはなれて受験するわけにはいきません。志望校を検討するとき、合格可能性をきちんと把握して考慮することは避けて通れません。
合格可能性予測の記号
合格可能性予測は、過去年度の蓄積された豊富な諸データと毎年協力いただいている進学者の「進学先調査」の諸資料により基準を作成し、それにより行っています。
学校の先生や塾の先生とよく相談し、悔いを残さない進学のために、この資料を大いに参考にしてほしいと願っています。
- A = まず、心配ない。上位合格のはず。
- B = ほぼ、安全圏。合格者の多くはこの学力層。
- C = ボーダーゾーンで合格は五分五分。
- D = 危険率高く、発奮が必要。
- E = 志望高校(学科)の再考が必要。
- K = 予測困難。
2志望校に書かなかった学校も見る
試験後に送られてくる『学習ガイド』には、学校・学科ごとに、どのような成績の受験生たちがどれくらい志望しているかがまとめられています。その学校・学科を志望したとき、志望者の中で自分はどんな位置になるか。中3京都模試の成績をもとに、さまざまな高校・学科を志望した場合の自分の位置を知ることができます。
3広く情報を集める
「高校検索」で探す
自分がよく知らないものに対して強い愛着や動機を抱くことはほぼありえません。志望校が見つからない、強くひかれる学校がないという場合、それは「高校全般についてよく知らないから、情報を持っていないから」ということが原因の場合も多いのです。最初はできるだけたくさんの高校について、幅広く情報を入手しましょう。数多くの高校について調べ、特色や校風を知るうちに、それぞれの学校のよさ=「自分が何にひかれるのか」が明確になってきます。これが「自分が志望校を選ぶ基準だ」ということがだんだんとはっきりしてきます。高校ガイドを読む、高校の合同説明会で複数の学校の情報やパンフレットを入手する、気になる高校には学校案内を請求するなどして、広く情報を集めることが大切です。
五ツ木書房のウェブサイトには「高校検索」のページがあります。近畿全域・各高校の基本情報はもちろん、学校の特色や校風、アピールポイントなども掲載されています。キーワード検索を使って、自分にとっての「こだわりポイント」で検索をかければ、その条件に合う高校を、広い範囲から見つけだすこともできます。
4自分の「志望校探しの基準」を考える
志望校を見つけるうえで大切なことは、自分の「志望校探しの基準」をよく考えて見つけ出すことです。
「自分にとってよい高校とはどんな学校だろう」と考えてみてください。たとえば、「サッカーが強い学校」、「家から近い学校」、「〇〇大学にたくさん合格している学校」、「憧れの人が卒業した学校」など、何でも構いません。自分の理想の高校を想像してみましょう。
次に、自分の将来の夢や適性についても考えてみます。「何のために進学したいのか」はもちろん、「自分が今いちばん興味を持っていることは何か」、「何が得意か」、「将来、どんな職業につきたいのか」など、これまでを振り返りながら考えてみましょう。
理想の高校についても、自分の夢や適性についても、いくつかの条件が上がることでしょう。では、その条件のうち、どの項目が絶対に譲りたくない条件でしょうか。どうしても絞り込まなくてはいけないとしたら、どういう順に優先順位をつけるでしょうか。――ここから導き出した答えこそが、あなたの「志望校探しの基準」となります。
受験生だけでは、判断や決断が難しいかもしれません。できれば保護者の方や先生に相談し、アドバイスをもらいながら一緒に納得のいくまでしっかり考えましょう。
- 志望校探しのためのこだわり point+
- ●こだわり point
- 自分の学力・合格レベル
- ●チェックの観点
- 学力の合う学校でないと、入学後に後悔することも。五ツ木・京都模試で自分の学力を把握し、気になる学校が自分にとって「上位合格校(=A判定)」「適正校(=B判定)「挑戦校(もう少し頑張れば手が届く)」のどれなのかを把握します。募集人数や倍率も調べましょう。
- ●こだわり point
- 設置学科・コース
- ●チェックの観点
- 高校で何をしたいか、卒業後はどのような進路に進みたいかを考え、自分の興味や希望進路に合う学科を選びます。文系・理系のコース分けの有無や時期も確認しましょう。同じ高校の中に「特進コース」などの上位コースを設置している学校もあります。専門学科の場合は特に、自分の学びたい内容と一致しているか詳しく調べましょう。資格を取得できる学科・学校もあります。
- ●こだわり point
- 通学の利便性
- ●チェックの観点
- 3年間毎日通う場所です。通学手段(徒歩・自転車・バス・電車)、通学時間など。だいぶ絞り込めてきたら、実際に自宅のドアから校門まで何分か、電車やバスなら乗り換えのスムーズさや込み具合、交通費(定期代)など、実際に足も運んで確認してみましょう。
- ●こだわり point
- 高校卒業後の進路
- ●チェックの観点
- 卒業生の進路や進路指導の方向性を確かめ、その高校が自分が思い描いている将来の進路に合っているかどうかを調べてみます。将来、大学進学を考えているなら、進学実績や、系列大学の有無や条件もチェック。就職を考えているなら、就職率、就職先、就職サポートの手厚さをチェックしておきます。
- ●こだわり point
- 教育方針や校風
- ●チェックの観点
- 「学習重視」の進学校なのか、人としての成長や「精神面重視」の学校なのか、また、設立者の建学精神や伝統などといった学校の教育方針や校風が、自分の考えや性格と合うかどうかを調べます。実際に学校に行ってみて、雰囲気を確かめることも重要です。
- ●こだわり point
- 生徒指導・校則
- ●チェックの観点
- 一般的に、公立校では生徒の自主性や自由を重視する傾向が、私立校では先生方の面倒見がよく、規律正しくきめ細やかな指導が行われる傾向があります。校則が厳しいか厳しくないかというのではなく、どのような方針が自分に合っているのかという点から考えて選びます。公立だから私立だからと決めつけず、学校説明会などに参加して実際に自分の感覚で感じてみましょう。
- ●こだわり point
- 学校の施設・設備
- ●チェックの観点
- 施設の充実度は、勉強や部活動に励む上で重要なポイントです。IT 設備や LL 教室、図書室、専用グラウンド、プールといった設備の有無と充実度、冷暖房完備かどうかなどについてもチェックします。専門学科の場合は特に、専用の実習設備や体制についても調べておきましょう。
- ●こだわり point
- 部活動
- ●チェックの観点
- 「高校ではクラブに打ち込みたい」と考えている場合、そのクラブの有無・活動内容・実績もチェックします。
- ●こだわりpoint
- 学費・費用
- ●チェックの観点
- 進学費用についての問題は受験生ひとりの力では解決できない問題です。年間にかかる費用の合計や就学支援金を調べ、ご家庭の事情と合わせて保護者の方と相談しましょう。また、学校によっては特待生制度や奨学生制度があります。そういった制度についても調べておきましょう。
- ●こだわり point
- 先生やご家族、先輩の意見
- ●チェックの観点
- 実際にその高校に通う先輩方の体験談も貴重な情報源。迷ったら先生や保護者の方、兄弟姉妹に相談し、アドバイスを参考にしましょう。
- ●こだわり point
- 制服
- ●チェックの観点
- 最優先ポイントにすべきではありませんが、3年間毎日着るものですから、「制服がカワイイ・カッコイイ」も重要な志望動機。「勉強に疲れたらパンフレットの制服写真でやる気をキープできた」というセンパイ受験生の声もあります。
- ●こだわり point
- 行事
- ●チェックの観点
- 学校行事に力を入れる校風かどうか、学校行事がどの程度生徒の自主性に任せられているのかは、文化祭や体育祭を見学し、在校生の取り組み方や展示物からわかります。修学旅行や勉強合宿などの行事も調べてみましょう。
5オープンキャンパス・学校説明会で探す
多くの高校で、学校説明会やオープンキャンパス(体験入学)などのイベントが開かれます。
実際に高校に足を運び、自分の目で確かめ、体験し、先生方や在校生から直接話を聞くと、必ず新たな発見があります。こうしたイベントに参加することは、親子で志望校を考え、話し合うきっかけにできる点でもとてもいい機会です。夏以降は本格的な受験勉強に忙しい時期になりますが、ぜひ時間を作って、興味を持った学校のイベントには積極的に参加してください。
志望校が決まっていない場合、多くの学校を見学に行くことで学校を見る目が養われて、「志望校選びの基準」やその優先順位がはっきりしてきます。中3京都模試のこれまでの受験生の中には、「誘われて行ってみた学校説明会で先生のお話に感銘を受けて、その日からそこが志望校になった」という出会いを体験した人も多くいます。「学力的に難しいから」などと決めてしまわず、できるだけ多くの学校を見学に行くことをお勧めします。
高校主催の学校説明会以外にも、複数の高校が合同で開催する合同説明会や進学フェアがあり、一度にたくさんの高校の情報にふれられる機会として設けられています。
秋以降は、高校の文化祭や体育祭などの行事を見にいってもいいでしょう。また、普段の日であっても、学校見学をお願いすれば多くの高校が受け入れてくれます。
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